ブライアン・L・ワイス博士 エール大学出身の精神科医&前世療法の第一人者

魂が不滅だと知ることは、私たちに深い癒しをもたらします。

 ワイス博士が著した一冊目の著書『前世療法』は1988年に刊行され、多くの人々に衝撃と感動を与えました。
  その後前世療法≠フ第一人者として世界的に知られるようになったワイス博士にお話をうかがいます。

21年間に渡って私自身に起こった霊的変容も、非常に深遠なものでした。
  • ――最初の一冊『前世療法』は、非科学的といわれる 分野に懐疑的だった博士ご自身が、実際の臨床例を通じて輪廻転生を確信していく過程が綴られています。 現役のエリート精神科医がこんなスピリチュアルな本を書くのは、勇気が必要だったのではありませんか?

    確かに最初は大変でした。科学者・精神科医というのは、輪廻転生はもちろん、見えない世界の存在も認めていないわけですから。
    ただ、私自身が社会的な訓練を受けていたことと、ある程度確立した名声があったことで、まともに受け止めてもらう素地があったのだと思います。
    また、他の精神科医・心理学者たちに同じ退行催眠による前世療法のトレーニングを行ったことで、彼らもまた、私の正当性を検証してくれることになりました。

  • ――『前世療法』は、医師らしい理性的かつ客観的な視点でスピリチュアルな体験を綴っているのが画期的で、説得力がありました。

    初めは懐疑的だったことを考えても、最初の臨床例から21年間に渡って私自身に起こった霊的変容も、 非常に深遠なものだったといえるでしょう。
    私自身、一連の体験を通じて多くのことを学び、価値観も大きく変化しています。

  • ――『前世療法』は30ヶ国に翻訳され、日本で24万部、世界中で200万部も売れているとか?

    過去生回帰をセラピーという文脈で、症状を緩和するために使った…ということが話題を呼んだ面もあると思います。
    もともと輪廻転生という考え方はアジアにありましたし、以前から前世の研究はされてきましたが、前世療法は、その新しい発展形態だったからです。 結果からいうと、それは非常にパワフルな癒しの方法であるということがわかったわけです。 とりわけ、恐怖症とか心身相関的症状については、非常に効果的な療法だといえるでしょう。

前世療法は、たった1回のセッションで深いレベルの癒しが起こることも

退行催眠によって自分の前世を発見した人は、からだが違っても魂は同じだとわかる。これは非常に深い気づきなんです。
また、自分の魂が不滅だと知ることは、それだけで人に深い癒しをもたらします。 それも、言葉で「魂は不滅」と誰かにいってもらうよりも、自分自身で体験することに意義がある。生々しい感情をともなって実感するからこそ、大きな説得力があるのです。
こうした体験によって死への恐れが軽減し、時には怖れ自体がなくなります。 そして自分だけでなく、自分の愛する人たちも向こうの世界で生き続けている、死は存在しない、ということが理解できる……。 これは非常に深いセラピーといえるでしょう。
なぜかというと、単に肉体の症状を癒すというレベルにとどまらず、肉体から魂という、より本質的な、幅広い領域に関わっているからです。 時にはたった1回のセッションで、その、深いレベルの癒しが起こる。 精神分析の場合、1年以上セッションを続ける必要があることを思えば、前世療法がどれだけスピーディでパワフルな療法か…ということがおわかりいただけると思います。

  • ――4冊目の著書『魂の療法』には「この10年以上、私は人から馬鹿にされ、からかわれ続けてきた」とあります。 今も前世療法は正当に認められていないのですか?


    21年前より状況はよくなった、といえるでしょう。アメリカのある調査によると、現在国民の1/3以上にあたる、9千万人の人が輪廻転生を信じています。 しかもこうした支持は増大する方向に向かっています。
    批判的、嘲笑的な人々も少なくなくありませんが、彼らは自分の知的立場やテリトリーを守るために本能的に反対しているのです。 多くの科学者・医師たちが怖れから心を閉ざしているのが、私にはよくわかります。 私自身、自分が体験する前は非常に心を閉ざしていましたから。
    でも私は、時間の問題だと思っています。他の人たちに対して、こうした研究の成果を発表していけば、それが怖れを溶かす大きなきっかけになるはずです。
    また私が自分自身の学びのプロセスで受け取った原則のひとつは「結果・成果に執着しない」ということ。だから私は、自分がやるべきだと思うことを、ただやっていくだけです。

  • ――博士は、これまでの過去世でなし得なかったことを、今回の人生でなさっているそうですが?


    いい質問ですね(笑)。私が思い出した過去世のなかで、現在の人生に影響を与えているものは2つあります。
    一つは3千年前の過去世で、スピリチュアルな原理を教える立場にあったにも関わらず、私はその立場をエゴのためだけに使ってしまいました。
    もう一つは中世時代で、私は輪廻転生やスピリチュアルな実践について、キリスト教の聖職者としては禁じられていたことを教えたために拷問を受け、死にました。 今回の人生で私は、この2つの過去世のバランスをとっているわけです。

正しい道にいると確信があるから、人に批判されても、内的な平和がある。
  • ――今生でバランスがとれて、どんな感じですか?


    そうですね(笑)。一言でいって、心の平安を感じています。 自分の体験している学びのプロセス、そして研究成果を、心を開き他の人々と分かち合う。 そして、他の人々を助けるために力を尽くす――。私にできることは、それしかありません。
    私には、自分が自分にとって正しい道にいるという確信がある。だから人に批判されようと、自分の中に心の平安があるんです。

  • ――新刊『魂の療法』は、これまで以上に魂を揺さぶり、パワフルに目覚めを促す本ですね?


    ありがとう(笑)。私は21年間、この研究に取り組んできました。 本書はその集大成。輪廻転生はあくまで一部であって、愛そのもの、スピリチュアルな次元についてトータルなメッセージを伝えた本です。 私自身、非常にパワフルな内容だと思っています。 来世まで待たずに、今この人生において人々が幸福や心の平和を見出すお手伝いをできれば…と思って書いた一冊です。

  • ――ワイス博士のご著書の数々は、時代的な要請から書かされているものでもあるのでしょうね?


    過去21年にわたって、それは絶えざるメッセージとして私のところに届いています。 地球は非常に危機的な状態にありますから。
    今地球で起こっているのは、テクノロジーとスピリチュアリティの競争のようなものだといえるでしょう。 思いやりや理解というスピリチュアルな資質を伴わなければ、テクノロジーは誤用され、非常に大きな害をもたらすものです。
    たとえば、今年の3月末にアメリカは温暖化防止のための京都議定書を「支持しない」と表明しました。これは、テクノロジーよりスピリチュアリティを軽視した一つの例だといえるでしょう。 このように各国のリーダーたちはバランスを崩して、近視眼的に物事を見ている傾向が強い。これは大きな問題だと思いますね。

  • ――最後に、読者の皆さんにメッセージをいただけますか?


    私たちは決して死ぬことはない…ということを知ってほしいと思います。 魂は不滅です。死を恐れる必要はなく、親しい人を亡くしたからといって悲しむことはありません。私たちは必ずまた出会うのですから。
    もうひとつ、私たちはお互いに愛し合う必要がある、お互いに思いやりを持つ必要がある、ということを知ってください。 私たちはみんな兄弟姉妹なのです。そして愛のみがリアルであるということ、そのことを憶えておいてほしいと思います。

Profile

ブライアン・L・ワイス

1966年コロンビア大学卒業。70年、エール大学医学部で医学博士号を取得。
マイアミ大学医学部精神科教授、マウントサイナイ医療センター精神科医長を兼務した。
現在はフロリダにワイス・インスティテュートを設立、治療を続けながら講演活動で全米をまわっている。非科学的な分野に懐疑的だったワイス博士は、催眠療法中に過去世を思い出した患者との出会いをきっかけに、スピリチュアルな世界へと開眼していった。
この実体験を綴った初めての著書『前世療法』は88年に刊行され、現在までに約30カ国語に翻訳され、200万部の世界的ベストセラーとなっている。

発売:飛鳥新社 発行:ファーブル館 anemone 2001年6月号引用